チームコラボレーションを成功に導く、Liferay と Alfresco 3-3

 

SUMMARY

  • Liferayのグループウェア機能は、機能が豊富でカスタマイズしやすい
  • Alfrescoのワークフローは文書ごとに設定できるので、日本の企業に馴染みやすい
  • Liferay、Alfrescoともにオープンソースなので、類似商用製品と比較するとコスパがいい

 

組織を超えて、プロジェクトごとに連携する。チームコラボレーションを成功に導くOSS, Liferay (ライフレイ) と Alfresco (アルフレスコ) のセミナーの模様を、3回シリースでご紹介します。最終回となる3回目は、Liferay と Alfrescoの機能を比較しながら、最適なチームコラボレーションのあり方について考察します。

【 Liferay & Alfresco機能比較】  「ユーザとチームの概念」

LiferayとAlfrescoは、それぞれ似かよった機能を持ちながらも、そもそもの成り立ちやそれぞれが得意とする領域が異なります。チームコラボレーションという観点から、LiferayとAlfresco、それぞれの機能を比較してみましょう。

まずは、チームコラボレーションの基本となる「ユーザとチームの概念」という観点から考えてみましょう。

Liferay、Alfresco、どちらもサイトという概念に基づいて作られています。

ひとつの目的をもったチームごとにサイトを立ち上げて、そこに登録されているメンバーを招待し、ドキュメントやカレンダーを共有するといった流れです。

たとえば、図表にあるように、サイト(1)(2)(3)には共有されている情報もありますが、メンバーごとに見ることができる情報が異なっています。チームメンバーによって、情報の閲覧権限を変更することができるのです。

このような基本概念は、LiferayもAlfrescoも、同じです。

Aipo/Liferay最新情報
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【 Liferay & Alfresco機能比較】  グループウェア機能

次に、LiferayとAlfrescoのグループウェア機能について比較します。

カレンダー、お知らせ、ドキュメント管理機能、プログ、Wikipedia、掲示板など、LiferayとAlfrescoに備わっているグループウェア機能は、ほぼ同じです。それぞれを細かく検証してみましょう。

Liferayでは、ひとつのサイト上に複数の機能を追加することができます。たとえばひとつのサイトに5種類の掲示板を追加するといったようなことが可能です。対してAlfrescoは、ひとつのサイトにひとつの機能しか追加できません。

またポータル機能として見ると、Liferayは拡張性に優れています。上記の基本機能とは別に、翻訳、単位変換などのガジェットを必要に応じて追加できます。

操作性や機能追加の手軽さを考えると、グループウェア機能では、Liferayに軍配があがります。

【 Liferay & Alfresco機能比較】  「ドキュメント管理機能」

チームでコラボレーションするときのポイントとも言える、ドキュメント管理機能について、LiferayとAlfrescoを比較します。

いちばん特徴的なのが、UIです。UIを比べると、Alfrescoの操作が圧倒的にわかりやすいことが実感できるはずです。

Alfrescoは、文書ライブラリという場所に、一覧で文書が格納されています。ファイルの追加も、ドラッグアンドドロップで操作できます。

またAlfrescoのプレビュー機能は、Microsoft系のソフトをプレビューすることもできます。クラウドと社内の文書と同期もできます。フォルダごとにダウンロードもできますし、ドキュメントの証跡が残せるのも、ビジネスの局面では便利だと思います。

このあたりのきめ細やかさは、ECMの専門ソフトAlfrescoならではの機能です。

ドキュメント管理という観点から見ると、当然ながら、Alfrescoが圧倒的に優位です。

【 Liferay & Alfresco機能比較】   「ワークフロー機能」

プロジェクトで、チームとのやりとりを自動化するのがワークフローです。チームでコラボレーションするときに、ワークフローは欠かせない機能です。LiferayとAlfrescoのワークフローを比べてみましょう。

Liferay のワークフローは、Webコンテンツベースになります。Wikipedia、ブログ、Webコンテンツなど、コンテンツごとにワークフローを作ることができます。

対してAlfresco のワークフローは、ドキュメントベースになります。文書ひとつひとつに、ワークフローをつけることができるのです。

たとえば、日本でマニュアルを作成し、アメリカで翻訳し、インドでチェックし、再び、日本戻ってくる、というワークフローを想定します。

その文書にAlfrescoのワークフローをつけると、自分の業務をこなした後は、次の担当者へ自動的に回る仕組みが働きます。関係者は、今、その書類がどういう状態にあるのか、誰が保持しているのか、というステイタスがひと目でわかります。タスク管理もしてくれるというわけです。

国内だけのプロジェクトの場合でも、事業計画書、経費精算、稟議書など複数の人間が介在する書類を回すときには有効な機能です。

文書ごとに設定できるAlfrescoのワークフローは、日本のビジネス習慣には馴染みやすいスタイルだと言えます。

Aipo/Liferay最新情報
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【 Liferay & Alfresco機能比較まとめ】  グループウェアのLiferay、ドキュメント管理のAlfresco

LiferayとAlfrescoの機能をまとめると、Liferayは、グループウェア機能やWebコンテンツ管理に優れています。一方、Alfrescoはドキュメント管理、ワークフローに強いといえます。

-ユーザやチームに関する考え方は、ほぼ同じ

-グループウェア機能は、Liferayがより機能が豊富&カスタマイズしやすい

-ドキュメント管理は、Alfrescoが高性能

-ワークフローは、文書ごとに設定できるAlfrescoの方が日本の企業に馴染みやすい

LiferayとAlfresco、どちらが最適なのか。

それは、プロジェクトの目的によって異なります。場合によっては、LiferayとAlfrescoを連携させることで、よりニーズに則したソリューションとなることも少なくありません。

また類似商用製品と比較する場合は、コストパフォーマンスにもご注目ください。Liferay、Alfrescoともにオープンソースですから、商用製品と比べると圧倒的に低コストでの導入が可能です。

プロジェクトのシステムについて考察するということは、つまるところ、プロジェクトの問題点を洗い出し、目標を設定し、どのようにしたらチームが円滑にコラボレーションできるか、どのようにゴールまでの道のりを歩むか、といった初期設定を詰めることでもあります。

ほとんどのプロジェクトに通じる普遍性。それは、システム導入を含めた初期設定の大切さです。規模の大小にかかわらず、地道な検証、検討作業が、プロジェクトを成功へ導く早道ではないでしょうか。

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