SUMMARY
- Liferayのワークフローは、Webコンテンツごとに設定できる
- Alfrescoのワークフローは、ドキュメントごとに設定できる
- Alfrescoのワークフローは、承認時の変更や修正が可能である
ポータルサイトを容易に構築するLiferay(ライフレイ)と、あるゆる種類のコンテンツを管理できるECMであるAlfresco(アルフレスコ)、ふたつのオープンソースアプリケーションがタッグを組むことで自社に最適なシステムが実現します。
今回は、世界シェア1位のオープンソースECM、Alfrescoと、世界シェア1位のオープンソース Webポータル、Liferayのワークフロー機能を比較します。
LiferayとAlfrescoは、ルーティン業務を自動化するワークフロー機能を搭載
ワークフローとは、業務の処理の手順をルール化することで、ルーティン業務を自動化するものです。複数の人間が関わる文書やデータを円滑に受け渡す流れを作ることで、業務が効率化できます。
Liferay、Alfresco双方に、承認プロセス、メール送信、ドキュメント更新、プラグイン起動など、さまざまなワークフロー機能が搭載されています。
それぞれの特長は図表のようなものになります。
Liferay | Alfresco | |
エンジン | Kaleo(カレオ) | Activiti(アクティビティ) |
難易度 | 低い | 高い |
コミュニティ版/エンタープライズ版 | CE版とEE版が存在する | CE版とEE版が存在する |
エンタープライズ版のみの機能 | - WEB上でのワークフロー定義デザイン | - WEB上でのワークフロー定義デプロイ作業 - 現在のワークフローの状態の確認(管理者用) |
WebコンテンツベースのLiferayのワークフロー
Liferayのワークフローは、Webコンテンツベースになります。
その利用目的として「作成したコンテンツを承認を得てから公開する」ことを前提としており、たとえば「作成したブログ記事を公式サイトで公開する」という業務において、コンテンツを公開する前に承認を経るワークフローを作成することができます。
デフォルトで承認フローが用意されている機能は、Webコンテンツ以外にもWikipedia、ブログなどがあります。
ドキュメントベースのAlfrescoのワークフロー
Alfrescoのワークフローは、ドキュメントベースとなります。文書ごとにワークフローをつけることができますので用途が広がります。
たとえば、「国内でマニュアルを作成し、アメリカで翻訳し、インドでチェックし、再び、日本に戻す」という業務にワークフローを加えることができます。
Alfrescoのワークフローを導入すると、自分の業務をこなした後は、次の担当者へ自動的に文書が回る仕組みが働きます。関係者は、今、その書類がどういう状態にあるのか、誰が保持しているのか、というステイタスがひと目でわかるため、タスク管理の役目も果たします。
そのほか、事業計画書、経費精算、稟議書など複数の人間が介在する書類を回すときにも有効で、文書ごとに設定できるAlfrescoのワークフローは、日本のビジネス習慣には馴染みやすい機能といえます。
LiferayとAlfrescoのワークフロー機能は、LiferayがWebコンテンツに、Alfrescoがドキュメントにワークフローを付与できるのが、それぞれの特長です。
LiferayがWebコンテンツの公開を前提したワークフローであるため、承認段階で変更や修正を加える概念がないのに対して、Alfrescoは文書ベースのワークフローであるため、承認時の変更や修正も可能であり、柔軟性に富んでいるといえます。
LiferayはEE版(エンタープライズ版)のみでワークフローの作成が可能
LiferayとAlfrescoのワークフローを実際に作成する場合の、定義の比較は、図表のとおりです。
Liferayは基本的にEE版(エンタープライズ版)のみでワークフローの作成が可能です。
いずれにしてもJavaベースですので、カスタマイズという感覚になります。