はじめに
2016年5月17日に、『AWSで12億ドキュメントをも管理可能な、Alfresco最新バージョン5.1のご紹介』セミナーが行われました。
株式会社ヴィセント テクノロジー部 森様の講演『Alfrescoの概要と最新バージョン5.1のご紹介』について、全3回に分けて紹介していきます。
第1回目となる今回は、『Alfresco概要』についての講演部分を紹介します。
Alfrescoは高機能版ファイルサーバー
Alfrescoとは
さまざまなドキュメントコンテンツ(文書類)を管理するオープンソースプラットフォームソフトウェアです。高機能版ファイルサーバーとして使用できます。
一般的な共有ファイルサーバーの問題点
一般的な共有ファイルサーバーには、「誰でもアクセスできてしまう」「誰が何をしたのか記録が残らない」という管理上の問題点があります。
Alfrescoを導入すれば
ユーザー単位での操作記録が可能
「どのユーザーがどのフォルダ(コンテンツ)を閲覧/編集/ダウンロードしたのか」などについての記録が可能になります。
詳細な権限管理
ユーザーごとの権限管理が可能です。さまざまな範囲で設定でき、最小単位ではコンテンツ単位での閲覧/編集権限設定を行えます。
セキュア
ユーザー単位での記録/権限管理により、「セキュアなコンテンツ管理」と「詳細な監査」が可能です。
そもそもAlfrescoとは?
Alfresco誕生の経緯
前身は「Documentum」というドキュメント管理ソフトウェアです。Alfrescoは、2005年に、オープンソースソフトウェアとして立ち上がりました。
世界シェアNo1
オープンソースドキュメント管理システム(ECM)の中では、世界シェアNo1と謳っています。
主な採用実績
有名な採用実績としては、アメリカ航空宇宙局(NASA)での採用があります。3000名以上で利用され、20万件以上のドキュメントを管理しています。共同作業をスムーズに進めることができるようになり、大きな信頼を得ています。
Alfrescoの位置づけ
Alfrescoは、「エンタープライズレベルのドキュメント管理プラットフォーム」です。
「文書管理」「記録管理」「Webコンテンツ管理」「情報共有」「ワークフロー」の機能を搭載しています。
Alfrescoの特徴 不必要なポートを開けずに外部とのやり取りが可能
Alfresco最大の特徴とも言える機能が、「Alfresco外部との連携/同期機能」です。
ファイヤーウォールでポート番号を1つを開ければ、オンプレミス/クラウド間で、コンテンツの共有/同期が可能になります。
「社外の者に対して一部のみ共有する」ことも可能です。また、外部のAlfrescoに登録されたコンテンツのみ内部のAlfrescoに同期されるため、セキュリティ上の壁として機能します。
サブスクリプション(Community版とEnterprise版)
Community版は無料で提供されています。有志による開発体制であるため、バグ混入/機能不全などがあり、修正にかなりの時間がかかってしまいます。
Enterprise版は有料です。「サブスクリプション」というものを購入していただき、そのライセンスに基づいて使用できます。各種テストを行い動作保証付きでリリースされます。「製品ごとのサポート」「セキュリティパッチ」が提供されます。
エンタープライズレベルで使用する場合には、Enterprise版で運用していただくことをおすすめします。
ドキュメント管理機能
Alfrescoのドキュメント管理として、「プレビュー機能」「全文検索機能」「権限管理機能」「クラウド同期機能(Enterprise版のみ)」「ドキュメント証跡管理(Enterprise版のみ)」「ファイル変換機能」があります。
プレビュー機能
Office文書などは、LibreOfficeで変換を行います。
全文検索機能
Alfrescoの中に格納されている、すべての文字情報ドキュメントについて検索できます。
権限管理機能
全文検索で、アクセス権限がないドキュメントは検索結果に表示されません。
その他の機能
「CIFS接続」「FTP接続」などの接続方法でアクセス可能です。
Alfrescoのワークフロー
Alfrescoのワークフローは、「Activiti」というエンジンを使っています。Enterprise版ではワークフロー自体をデザインツールで作成できます。
ワークフローを回すことで、Alfresco自体も、企業フローも効率的に回せるようになります。
おわりに
第1回目となる今回は、『Alfresco概要』の部分について紹介しました。
第2回目となる次回は、『Alfresco5.1紹介(1/2)』についての講演部分を紹介します。