SUMMARY
- Alfresco (アルフレスコ)は「アクティブ-アクティブ」の冗長化構成が可能
- コミュニティ版の冗長化では、プロパティファイルの追加や編集が必要
- 製品版では、2つの前提条件さえ満たせば、冗長化構成を自動設定する
世界でいちばん売れているOSSエンタープライズコンテンツ管理システムAlfresco (アルフレスコ)には、有償の製品版と無償のコミュニティ版があります。日本法人認定第一号ゴールドパートナーであるヴィセントが、エンタープライズトライアル版を用いて、有償版、無償版の特徴、冗長化構成、クラウドサービスなど、実際にアルフレスコを活用するためのヒントをお届けします。
今回は、アルフレスコを冗長化構成する際のヒントをご紹介します。
Alfresco (アルフレスコ)では、サーバ1とサーバ2で「アクティブ-アクティブ」の冗長化が可能
システムを常に稼動可能な状態に保ち、障害発生時にも瞬時に切り替えることができる冗長化の仕組みをアルフレスコでつくる場合、基本構成は、次のようなものになります。
アルフレスコでは、サーバ1とサーバ2で「アクティブ-アクティブ」の冗長化が可能です。
共通のデータベースを参照して「コンテンツストア」、「キャッシュ」、「インデックス」を同期した冗長化の構成を組んでいれば、障害によるダウンはほぼ回避できます。
それでは、コミュニティ版と製品版で冗長化の設定の違いについて具体的にご紹介しましょう。
コミュニティ版の冗長化では、プロパティファイルの追加や編集が必要
コミュニティ版で冗長化を行う場合、次のようなプロパティファイルの追加と編集が必要となります。
ファイル名1: alfresco-global.properties
・サーバ1とサーバ2の2台のサーバにお互いからコンテンツストアの場所を指定する
・インデックストラッキングおよびインデックスリカバリモードを設定する
ファイル名2:replicating-content-services-context.xml
・ローカルドライブのコンテンツストアとネットワーク上のコンテンツストアを設定する。
※ サーバ1とサーバ2の設定は逆に設定します。
ファイル名3: ehcache-custom.xml
・Alfresco 4.1 以前のバージョンでは、「ehcache-custom.xml.sample.cluster 」を「 ehcache-custom.xml 」にリネームする。
※Alfresco 4.2 以降の場合は、「alfrescoglobal.properties 」に追加する。
ただし、細かな操作は、アルフレスコのバージョンによって異なりますので、事前にバージョンについてご確認いただく必要があります。
製品版Alfresco One(アルフレスコ・ワン)では、前提条件さえ満たせば冗長化を自動設定する
対して製品版のアルフレスコ・ワンでは、次の2点の条件を満たすことにより冗長化が自動的に設定されます。
―同じデータベースを参照していること。
―リポジトリ等がお互いに参照できる環境になっていること。
ただしサーバ側権限やファイアウォールなどに制限が掛けられている場合は、同期されません。詳細設定をご確認後、設定をお願いします。
このように製品版とコミュニティ版を冗長化の設定について比較すると、いかに製品版が簡単であるかを実感していただけると思います。