SUMMARY
- 法人向けオンラインストレージサービスは、全社的にエンタープライズ向けを利用する
- 法人向けオンラインストレージサービスには、バージョン管理機能は必須
- 法人向けオンラインストレージサービスは、自社サーバにファイルが置けるサービスがベター
ネットがつながる環境であれば、端末を選ばずアクセスできファイルが共有できるオンラインストレージは、便利な反面、企業で活用する場合には、いまだに多くの課題をはらんでいます。法人向けのオンラインストレージの課題と、導入を検討する際のポイントをご紹介します。
法人向けオンラインストレージサービスの最大のポイントは、セキュリティの管理
インターネット上でファイルを共有するオンラインストレージサービスは、業務システムのSaaS化に伴って、ビジネスの現場でも急速に普及しました。
サービス提供者がサーバのディスク領域の一部をユーザへ貸し出し、ユーザはインターネットを介してファイルのアップロードやダウンローを行うという基本的な仕組みは同じでありながら、現在、「DropBox」、「Box」、「Googleドライブ」、「OneDrive」など、多くのサービスが提供されています。それぞれは、容量、機能、サービス内容が個人ユーザ向けか、法人向けかによって大きく異なります。
法人としてオンラインストレージを利用する場合は、次のようなシチュエーションが想定されます。
-ローカルファイルをバックアップする
-外出先や自宅など、会社以外の場所で社内文書を見る
-社外のスタッフと共同作業をするために情報共有する
なかでもオンラインストレージサービスを急速に拡大させた一因ともいえる社外スタッフとの共同作業においては、機密性の高い情報をオンプレミスの枠を越えて共有することになります。この場合、重要課題としてセキュリティの問題があります。
セキュリティの観点からオンラインストレージを見ると、メジャーな存在である「DropBox」や「Box」には物足りなさがあります。
両者は、現在は法人向けサービスも提供していますが、本来は個人ユーザを対象にしたサービスとして発展し、セキュリティ面においてはいまだに未知数の部分があるからです。
セキュアな環境で情報共有できない場合、どんな問題が発生するのでしょうか?
仮に、社員やプロジェクト単位で個別にオンラインストレージを利用すると、退職者が企業情報にアクセスしたり、ID/パスワードが漏れたりといったように情報の管理が行き届かなくなる可能性が高まります。
さらに企業の自社サーバではなく、外部サーバを利用するオンラインストレージサービスでは、情報漏えいリスクの可能性はより大きくなります。
法人向けオンラインストレージでは、エンタープライズ向けの機能を備えたサービスの利用を全社員に徹底し、自社サーバで運営するのが、賢明な判断だと言えます。
法人向けオンラインストレージサービスのポイントは、バージョン管理機能と自社サーバ
セキュリティ管理以外にも、法人向けオンラインストレージサービスで必須といえる機能が、バージョン管理です。
共同作業やプロジェクトでは、オンラインストレージ上にあるファイルは、複数の人間が編集することが前提となります。その場合、過去の編集履歴が残っていなかったり、バージョン管理が明確になっていないと、「他のメンバーに修正内容を上書きされてしまった」、「複数で編集しているうちに、最新バージョンがわからなくなってしまった」といったトラブルが多発する可能性があるからです。
法人向けオンラインストレージサービスの3つのチェックポイント
以上のような経緯から、企業でオンラインストレージサービスを導入する際のチェックポイントは、次のようなものになります。
-全社的に、オンラインストレージを導入し、その使用を徹底できる
-バージョン管理機能がある
-オンラインストレージを自社サーバに置ける
以上のようなポイントを踏まえてオンラインストレージサービスを活用すれば、これまでメールベースで行っていた文書のやりとりの煩雑さから開放され、ビジネス・プロセスが圧倒的に改善されることを実感できるはずです。