SUMMARY
- Alfrescoによるe-文書法対応のポイントは、スキャナー連携とタイムスタンプ連携
- Alfrescoに独自プログラムを導入することで、e-文書法対応の一連の流れを自動化
- ヴィセントでは、Alfrescoによる総合的なe-文書法対応ソリューションを提供している
高額領収書のデジタル化をはじめ、大幅なコスト削減が期待できる新しいe-文書法に対応した、オープンソースECM(文書管理システム)Alfresco(アルフレスコ)のe-文書法対応についてご紹介します。
Alfrescoによるe-文書法対応のポイントは、スキャナー連携とタイムスタンプ連携
e-文書法は、2015年9月の法改正によってこれまで原本保存が義務づけられていた3万円以上の領収書や契約書などの税務関係書類をデジタルデータで代替することが可能になりました。
オープンソースECM、Alfrescoを使って新しいe-文書法に対応するためには、次の2点がポイントとなります。
●原稿台付きスキャナーと、どのように連携するか?
法改正後も、書類を電子化するために使用するスキャナーには、次のような制約があります。
―原稿台付のスキャナーであること
―カラー画像による読み取りであること
―一定以上の解像度であること
さらに現状では、スマートフォンやタブレットで撮影した画像はe-文書法におけるデジタル文書とは認められていません。
これらの規定を満たしたスキャナーとAlfrescoを連携させる際には、ユーザを特定するためのユーザ認証をどのように組み込むかがポイントとなります。
● タイムスタンプをどのように付与するか?
法改正によってデジタルデータへの電子証明書が不要になりましたが、偽造を防ぐためのタイムスタンプの付与は必要です。
タイムスタンプとは電子文書に付与する時刻情報であり、タイムスタンプを付与することで当該文書の存在時刻(=存在証明)と、その時刻以降改竄されていないこと(=非改竄証明)を証明することができます。
実際の手順としては、(財)日本データ通信協会が認定した次のようなサービスを利用することでタイムスタンプを付与していきます。
【e-文書法に対応したタイムスタンプ付与サービス】
●電子証明書を利用したタイムスタンプ方式
・アマノタイムスタンプサービス3161(アマノ株式会社)
・SEIKOタイムスタンプサービス(セイコーソリューションズ株式会社)
・S.T.E.P Time Carve 時刻認証サービス(北海道総合通信網株式会社)
●アーカイビング方式
・SecureSealRstandard(株式会社NTTデータ)
タイムスタンプ付与サービスは、その方式がサービス事業者ごとに異なるため、個別対応が必要となります。
Alfrescoに、独自プログラムを導入することで、e-文書法対応の一連の流れを自動化
e-文書法に対応したAlfrescoの一般的な流れをご紹介します。
まず、総務や契約担当者がPDF化したファイルを規定の原稿台付のスキャナーに取り込むことでデジタルデータ化し、Alfrescoは、このデジタル文書を自動的に取り込みます。
デジタルデータを取り込んだAlfresco内部では、Alfrescoとタイムスタンプ認定サービスの間で連携しながらタイムスタンプを付与し、タイムスタンプ付与後のファイルはAlfresco内の特定フォルダに自動的に格納されます。
Alfrescoに、あらかじめタイムスタンプサービス専用の独自プログラムを導入することで、こういった一連の流れを自動化することができます。
なおスキャナーとの連携には、ユーザ認証機能が備わっていることが前提となります。
具体的にはスキャナー自体に搭載されたユーザー認証、外部サーバでのユーザ認証、または外部ストレージに対するユーザー認証といった機能です。
スキャナーにユーザ認証機能がない場合は、手動で連携させることになります。
ヴィセントでは、Alfrescoによるe-文書法対応モジュールの開発なども行いながら、総合的なe-文書法対応ソリューションを提供しています。