SUMMARY
- 企業の資産である図面データをAlfrescoで管理することで、快適なワークフローと証跡管理が可能になった
- Liferayをポータルサイトとして活用することで、海外拠点との煩雑なメールのやりとりが不要になった
- イメージを全体的に保存するAcronis(アクロニス)と、リアルタイム更新に対応するDRBDの二段階のバックアップの仕組みを構築した
ポータルサイトを容易に構築するLiferay(ライフレイ)と、あるゆる種類のコンテンツを管理できるECMであるAlfresco(アルフレスコ)、ふたつのオープンソースアプリケーションがタッグを組むことで自社に最適なシステムが実現します。今回は、両者のアプリケーションの連携して業務効率化に成功した事例をご紹介します。
海外とやりとりする企業の資産情報を安全にセキュアに管理したい
電子機器メーカーA社様で、AlfrescoとLiferayを連携した事例をご紹介します。
電子機器メーカーA社様は、グループ企業を含めて4,000名の従業員を抱えるエンタープライズ企業であり、海外にある12拠点と、CADデータから変換したPDFファイルの図面データを日常的にやりとりしています。この図面データは電気機器メーカーとしての根幹をなす情報資産であり、機密情報でもあります。
AlfrescoとLiferayの連携システムを導入する以前は図面データをAccessで管理しており、次のような課題を抱えていました。
- 海外拠点とのデータ共有がメールベースのため、煩雑になる
- データ登録や変更、削除など文書の証跡が残せない
- ポータルのように使えるものがない
- Accessアプリの機能は移植したい
まとめると、海外とやりとりする企業の資産情報を安全にセキュアに管理したいというご要望がありました。
企業の資産をAlfrescoで厳重に管理し、情報共有はLiferayで快適に
図面データの管理を中心に、ヴィセントでは次のような提案を行いました。
●企業の資産である図面データは、高性能のECM、Alfrescoで管理
Alfrescoは、個々の文書にワークフローをつけることができるため、文書を基点としたワークフローが働き海外拠点との煩雑なメールのやりとりが不要になりました。
またAlfrescoのバージョン管理で、文書の証跡が残せるようになりました。
●ポータルサイトとしてはLiferayを構築
海外での情報共有には、Liferayのポータルサイトを活用し、過去のAccessデータは、Javaアプリとして Liferayへ組み込みました。
●図面データをリアルタイムにバックアップ
バックアップには二段階の手順を踏みました。
まず初期の全体構成をAcronis(アクロニス)でイメージ化して保存し、そのほか日々の更新についてはリアルタイムでバックアップできる仕組みとしてDRBDを導入しました。
連携システム導入後、図面データをAlfrescoでセキュアに管理する一方、文書ベースでワークフローを回せるようになったことで、業務全体がスリム化しました。また、Liferayのポータルを使うことで海外とのやりとりも円滑になりました。
いちばんのポイントは、「A社様の図面データは、会社の資産である」というコンセプトです。ヴィセントでは図面データのバックアップにも注力し、リアルタイムでパックアップできる仕組みを構築しました。
AlfrescoとLiferay、それぞれのシステムの長所を活かすと、企業が抱える個別のニーズに、よりフィットしたシステムへと進化します。
システム連携のメリットとは、A社様のようなきめ細かいニーズに応えることができるところにあります。システムの導入が、そのままソリューションとなる仕組みなのです。