SUMMARY
- Alfrescoの決め手は、エンタープライズならではのサポート体制とスケーラビリティ
- Alfrescoと他社ソフトウエアを連携させることで、煩雑なコンテンツ取り込みプロセスも一本化
- Alfrescoのスケーラビリティが、コンテンツの配信と変更を同時に行いながらも、正確なインデックス処理を可能にする
オープンソースのエンタープライズコンテンツ管理システム分野で、世界市場シェア1位を誇るAlfresco(アルフレスコ)は、アメリカ最古のオーケストラの計160年分にもわたる所蔵資料を、デジタルアーカイブするプロジェクトに参加しています。その導入事例を3回シリーズでご紹介します。
※ 内容は、以下のサイトからの日本語要約です。
http://www.alfresco.com/jp/customers/node/1030
Alfrescoのアドバンテージは、対応ファイルの数、サポート、そしてスケーラビリティ(拡張性)
膨大な知的文化的財産をデジタルとしてアーカイブするという前代未聞のプロジェクトに着手したニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic:NYP)が、Alfrescoを採用した経緯を振り返ってみましょう。
システム採用にあたり、NYPでは、多くの選択肢のなかから、オープンソースの二製品に的を絞りました。
ひとつ目が学術関連のデジタルライブラリで一般的に使用されているデジタルリポジトリフレームワークFedora Commons、そしてふたつ目がAlfresco Enterpriseです。
Fedora Commonsに比べ、Alfrescoのアドバンテージとは次のようなものでした。
-サポートが受けられる。エンタープライズコンテンツ管理システムである。
-コンテンツの量に応じて容易に拡張できるスケーラビリティがある。
-対応可能なファイル形式の数が多い。
最終的には、今後のニーズの変化に応じて柔軟にカスタマイズできるところが評価されて採用にいたりました。
Alfrescoを他社ツールと連携させることで、煩雑なコンテンツ取り込みプロセスを一本化
さらにNYPは、コンテンツを取り込むプロセスを一本化するため、AlfrescoのパートナーであるTechnology Services Group(TSG)社の「OpenMigrate」も活用することにしました。
「OpenMigrate」はメタデータと画像のすべてのフローをAlfrescoのリポジトリに集約するソフトウェアで、メタデータの一括インポートや、画像の取り込みを可能にします。他システムとの連携が容易なAlfrescoならではの柔軟性で、煩雑になりやすいコンテンツ取り込み作業を一本化できました。
また、使いやすく、目的のコンテンツを素早く検索できる、ユーザビリティの高いウェブサイトを制作するために「Solr 」も導入しました。Javaベースの全文検索エンジンサーバ「Solr 」は全文検索を行う対象となる文書・データから索引語を抽出して、RDBでは実現が難しいとされる高速な全文検索を可能にします。
さらにコンテンツのレンディションは、コンテンツを取り込む前に、JPEGファイルをWeb用に最適化した様々なサイズの派生ファイルに変換する「ImageMagick」で行うことにしました。
Alfrescoのスケーラビリティが、コンテンツの配信と変更を同時に行いながらも、正確なインデックス処理を可能にする
NYPのデジタルアーカイブプロジェクトでは、クラスタ化されたWindowsサーバを使用し、画像の変換や取り込み能力をアップできるようにしています。
同プロジェクトでは、JPEGファイルの取り込み量が1日当たり120,000個、変換した画像と差し替えるために削除される画像ファイル数が最大75,000個にも及ぶからです。
同時に、フロントエンドとなるWebサイトでは、公開するコンテンツの配信だけでなく、コンテンツの迅速な内部校閲も求められています。
NYPでは、Alfrescoがもつ高いスケーラビリティを活用しながら、コンテンツの配信と変更を同時に行いながらも、正確にインデックス処理をするという神業を実現しました。
バックエンドでどのような作業が行われていても、365日24時間中断することなくコンテンツにアクセス可能な環境が実現したのは、クラスタ化された環境でAlfrescoのスケーラビリティを徹底活用したからです。
エンタープライズコンテンツ管理システムのAlfrescoならではの高いスケーラビリティと、NYPの細部にまでこだわった写真技法と品質管理のワークフローで、これまでは閲覧室まで足を運ばないと見ることができなかった貴重な資料が、ネットを通じて全世界に開かれることになったのです。